レッサーユリィを想起させる写真家『ソール・ライター』

レッサー・ユリィの世界観を想起させる写真家『ソール・ライター』 (1)

2017年のBunkamura ザ・ミュージアムで開催された日本初の回顧展で大きな反響を呼んだソール・ライター。京都でも2021年2月に『永遠のソール・ライター』の巡回展が催されました。

無名に近かった彼の作品は多くの人々の共感を呼び、展覧会に合わせて出版された写真集『All about Saul Leiter』は13刷も版を重ねたほど、日本の写真集業界では異例のベストセラーとなったそうです。

NHKの日曜美術館(2020年2月9日)でも放送。

私はといえば、レッサー・ユリィ好きが高じてたまたま知った、遅咲き(?)のファン。

もっと早く知ってたら、彼の回顧展も見れたのに~と嘆いていても仕方がない。

彼の作品からご紹介したいと思います!

目次

ソール・ライターの作品

 

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普通は写真に撮らないようなものを被写体にした作品が多く、それも日常によくある何気ない角度から撮影しています。

ビルのガラス窓越しに見える先の景色、ガラス窓に反射して見える景色、ガラス面についた霜に焦点を合わせた景色、汚れたガラス窓までもそれがあたかも中心の被写体かのように撮影した作品、なんでもない誰かの足、などわざわざ写真に残すことはないと思われがちな日常にある何気ないものに焦点を当て、それを被写体にしています。

また、建物の影からのぞき見しているような角度から撮影されたものも多く、独特な雰囲気を醸し出しています。

そういった独特の視点から切り取られた世界はどれも印象的で、その世界観に魅了されてしまいました。

クリストファー・ノーランの映画「フォロウィング」を連想させられたのは、私だけ?かな。。

 

 

写真家「ソール・ライター」の生涯

 

 

第一次世界大戦後の1923年から大恐慌、第二次世界大戦を生き、2013年に亡くなりました。

1923年12月3日、ペンシルバニア州ピッツバーグで、高名なユダヤ教の聖職者(ラビ)の父の下に生まれ、厳格な規律や倫理観に縛られた生活を送っていました。そんな生活を窮屈に感じた彼は、絵を描くことに喜びを見出すようになります。

1946年、23歳になった彼は、厳格な父のもとを離れ、画家を志し単身ニューヨークへ渡ります。

‐‐‐ * —

1940年代後半は、ニューヨークがパリに代わり始めて芸術の中心となるきっかけとなった抽象表現主義が台頭した時代。画家リチャード・プセット=ダートから写真にまつわる一連の技術を習得し、画家としては食べていけなかったけれども、写真家としての腕が認められるようになります。

1960年~70年代には「ELLE」や「Vogue」など数々のファッション誌の誌面を彼の写真が飾り、商業写真家として第一線で活躍するほどに。ニューヨーク5番街にスタジオをもっていたそうです。

 

そのときに出会ったのが当時モデルとして活躍していたソームズ・バントリー。のちに生涯の伴侶となります。彼女の方が彼よりも早死にしてしまうのですが。。

‐‐‐ * —

ファッション写真の第一線で活躍していた彼は、なんと人生の重大な大転換をします。1981年、彼が58歳のとき、その華やかな表舞台から突然退くのです。

彼が言うには、「雨粒に包まれた窓の方が、私にとっては有名人の写真より面白い」と。以降、彼は自分のためだけにただ黙々と写真を撮り続け、ときには絵を描き、約20年もの間、隠者のような生活を送ります。

「私は有名になる欲求に一度も屈したことがない。自分の仕事の価値を認めて欲しくなかったわけではないが、父が私のすることすべてに反対したためか、成功を避けることへの欲望が私のなかのどこかに潜んでいた」

この言葉が彼がなぜ忽然と華やかな表舞台から姿を消したのか、そして、自分の作品を発表するのではなく隠者のような生活を送るようになったのかの答えがあるような気がします。

‐‐‐ * —

ソールの作品がふたたび陽の目を見たのは、83歳のときのこと。2006年に出版された初の写真集『Early Color』にて。1950年代のニューヨークの街並みを、独特な構図で切り取った彼の作品群は、写真界にとどまらず世界中で大きな反響を巻き起こしました。

2013年11月26日、90歳の誕生日を目前に彼は、静かにその人生の幕を閉じました。それは奇しくも、彼のドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと)」のプレミア上映の日。

 

 

日本との意外な接点

彼は幼き頃、図書館で日本をはじめ、世界中の美術誌を読み漁っていたといいます。

また、彼のアトリエの壁には、礒田湖竜斎(いそだ こりゅうさい)の浮世絵が2点掛けられていました。彼の蔵書からは、歌舞伎の長唄や琴のレコード、日本の文化や美術に関する100冊余の書籍が確認されていたということです。

ソール・ライターの人となり

名だたるファッション雑誌の表紙を撮影するほどの売れっ子写真家だった彼が、富や名声なんて価値はないとでも言わんばかりに突然姿を消し、自分の好きな絵や写真を撮る人生に舵を切る彼の生きざまから、彼の人となりをみることができます。

それだけでなく、彼には、確固としたパーソナルエリアがあり、ごく限られた人にしか、そこに立ち入ることを許していなかったそうです。彼のドキュメンタリー映画の撮影は、監督の1年間にわたる交渉の末に実現したというエピソードもあるとか。

‐‐‐ * —

彼の写真はどこか、陰から名もなき人を隠し撮りしている気配さえうかがえます。慈しみ深い眼差しを向けながら。

まるで、誰にも気づかれずに傍観していることに安堵しているかのよう。実際、彼は「無視されることは私にとっていつも心地よかった」と語っていたといいます。

ソール・ライターの作品をもっとみてみたい方へ

永遠のソール・ライター

NHK「日曜美術館」で紹介された、「永遠ソール・ライター」展展覧会の公式図録。

あまりに反響が大きく、発売後即重版が決まり、刊行1年で累計約3万5千部を突破し、異例のベストセラーとなるほどの人気ぶりだったそうです。

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この写真集は312ページにわたって、たっぷりの写真と少しの解説文、そしてライター自身の言葉が散りばめられています。

あらかじめ計画して何かを撮ろうとした覚えはない。

人々が深刻に受け止めてることを見てみると、大半はそんなに深刻に受け止めるに値しない。重要だと思われていることもたいていはそこまで重要じゃない。大半の心配事は心配に値しないものだ。

本があるのは楽しかった。絵を見るのも楽しかった。誰かが一緒にいるのも楽しかった、互いに大切に思える誰かが。そういうことのほうが私には成功より大事だった。

芸術は果てしない再評価の連続だ。誰かがもてはやされ、やがて忘れられる。そして、再びよみがえり、また忘れ去られる。それが、延々とつづくのだ。

 

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All about Saul Leiter

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ペーパーバック

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写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと 

こちらは彼のドキュメンタリー映画(DVD)です。

京都の映画館では再上映してたほどの人気ぶりだったそうです。

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Early Color ハードカバー – 2015/1/1

こちらが、2006年に初版が発行され、写真界にとどまらず世界中で大きな反響を呼んだ彼の写真集。もちろん高評価☆4.7でした。

フランス語版

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おわりに

私はこのショットが好き。彼のパートナーであるソームズ・バントリー。彼女との仲睦まじい関係が、彼女の表情を通して伝わります。

ソール・ライター《ソームズ・バントリー》1960年頃 ©Saul Leiter Foundation (1)

ソール・ライター《ソームズ・バントリー》1960年頃 ©Saul Leiter Foundation

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

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この記事を書いた人

南フランス在住。小包みをお届けする気持ちで書いています。

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