みなさん、渋谷にある「森の図書室」というブックカフェをご存知ですか?
雑居ビルの一室にあり、ピンポーンを押して入る仕組みになっていて、自宅にお邪魔する感じでした。中は照明を落とした落ち着いたカフェバー。
お散歩って好きですか?
— 森の図書室 (@morinostaff) March 17, 2024
僕は好きです。
知ってる街並みも、知らない街並みも、坂道も、川沿いも、なんでも“街”を観ることが好きなんです。この本で、好きな散歩道でも探してみてください。イラストにも注目です!
staff ともや pic.twitter.com/79TQEqX2kh
くじを引いて本を選ぶ
ここでは、特に読みたい本が決まっていなければ、くじをひいて本を選べる仕組みになっています。
だから、全く興味なかった本でもとりあえず読んでみよう、となります。
そんな感じでたまたま出会った本がコレ。
著者はロシア語通訳者だった米原万里という日本人。共産党議員の父親の仕事の関係で、1960年代に10代の4年間をプラハのソビエト学校で過ごした帰国子女。
鋭い洞察力と独自の視点がおもしろくてそれ以来、この著者の本をひたすら読みました。
ここでは「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」のあらすじと感想を紹介します。
嘘つきアーニャの真っ赤な真実のあらすじ
1960年代の多感な少女時代をプラハのソビエト学校に通った著者が、そこで出会った友達3人との思い出が前半では綴られています。
ソビエトの激動の時代に翻弄され、生き別れになっていた友人たちと30年後にそれぞれと再会を果たすのですが、その時代をどのように生きてきたか、少女時代にはわからなかった政治事情も絡めて知ることになります。
「ノンフィクションと思えない」
時代に翻弄され、懐柔して生きていく人もいれば真を通す人もいる、ノンフィクションとは思えない、小説みたいな本。
特に印象的だったのは、共産主義下であっても教育の仕方が日本よりはるかに進んでいる点。日本では、歴史の授業でも暗記、暗記、暗記。出来事の年号や名称を暗記するだけ。
そこには「なぜ」がないし、それがその後の歴史においてどのような意味があったのか考察させることがない(少なくとも筆者と何十年と年の差もある私の時代でも。つまり教育が時代に併せて全く変わっていない)。
プラハの学校では、その出来事の説明から、のちにどのような影響を与えたかまでを記述させる回答方式のテストがほとんどで、そりゃ思考力や論理・論述力が養われるわ。と思いました。
理系なら日本は強いかもしれませんが、プレゼン力や人を説得させる説明力、クリティカルシンキングの点においては、他国とは太刀打ちできないほどの素地が違うのかも。。私もそんな教育を受けたかったな~と思いました。本をたくさん読んだり、歴史について勉強し直したり。するしかないかな。
カフェやケーキも美味
美味しいケーキをお供に読書の世界に没頭できました。
ぐりとぐらはカステラ焼くの上手だな。
— たんたん @ 空前絶後のPMO⛄️❄️☃️ (@pmo_tantan) March 20, 2024
中がしっとりだぞ!
森の図書室 渋谷 pic.twitter.com/iukmn1Ezjo
まとめ
著者はエッセイストでもあり、ロシア語通訳時代のエッセイ集だけでなく、大の動物好きでネコ4+イヌ2+ヒト2の合計8頭も自宅で飼っていたことから、そんな動物たちの観察エッセイもあります。彼女の亡骸(肺)からは大量の動物の毛が見つかったとか(驚)。